2017年4月10日月曜日

稗史としての北区史「つひまぶ 北区のウチナンチュー」をドロップしました

つひまぶ3月号「沖縄号」をドロップしました。
今号の特集は、「北区のウチナンチュー」です。
北区で沖縄?と思う人は多いかもしれません。大阪で沖縄といえば大正でしょ!と思う人は多いかもしれません。

北区について少し詳しい人なら、
本庄界隈に沖縄の出身の人がたくさんいるのは、なんとなく知ってる。
そんなふうに思う人もいるかもしれません。僕も、そのうちのひとりでした。あの界隈、なんとなく多いよね、くらいの程度。
かつて、大阪と那覇は定期航路で結ばれていて、そのせいもあってか大正や尼崎には沖縄の人たちが仕事を求めてやってきて、今でもたくさん暮らしている、その流れの中のひとつが北区にも辿り着いた、そんなふうに僕は思っていました。
そのあたりのことを探ってみたらおもしろいものが出てくるんじゃないだろうか。この号は、そんなところからはじまったのでした。

人に会って話を聞き、深く調べていくと、なんと!ですよ、粟国島という沖縄の離島から本庄地域に、大正時代から現在に至るまでの長い時間をかけて、たくさんの人が移住しているのです。現在、粟国島の人口は約900人です。対して、本庄界隈には、約300世帯の粟国島にルーツを持つ人々が移住して暮らしていることがわかってきました。一大コロニーです。
このことを行政は、まったく把握していません。
今の行政にかぎらずですが、日本の「正史」は定住者の歴史でした。たとえば、ハワイや中南米諸国には、戦前より多くの人たちが移民として渡っていますが、その歴史を「正史」では詳細に扱いません。また、大阪には在日コリアンがたくさん暮らしていますが、彼らの歴史が「正史」で語られることは、ほとんどありません。
つひまぶは、行政から発行していますが、「正史」からこぼれ落ちていくものこそを紹介できたらと、常、考えてきました。
為政者によって描かれる歴史ではなく、民衆の側からの視点で描かれた「稗史」をこそ、紡いでいけたら、との思いで、僕はつひまぶをつくっています。

北区にも、知られざるウチナンチューの魅力が、たくさんありました。
これもまた、北区の大きな魅力であり、資源です。
ぜひ、その魅力を知ってください。そして、堪能してください。

今号をつくっていて、もうひとつ、エポックがありました。

とある夜の扇町公園で、僕は、ひとりのアコーディオン弾きと出会ったのでした。
彼はそのとき、夜毎、扇町公園でアコーディオンを弾いていました。
ジャンルは、ミュゼット。フランスの民族音楽です。
アコーディオンは世界でもっとも難しい楽器のひとつですが、それをいとも簡単に、軽やかに、素敵に、軽快に、音に込められた物語豊かに、弾いているのでした、彼は。
客は、誰もいません。
不思議なんだけど、誰もいないのです。
ただ、あんた絶対プロやろ!ってレベルです。というよりも、音楽的な素養がありすぎます。ちょっと聴いてるだけで、一発でわかるレベル。
誰も聞いていないのをいいことに、僕は、夜毎、この極上のミュゼットを聞いていたのでした。星空の下で、ひとりで独占して、タダで。
ある日、ついに話をするに至ったのでした。
あまり話しかけられる雰囲気ではなかったのだけれども、その日は、なんとなくチャンスがあって。
- ミュゼ、めっちゃ上手いですね!
「いやいやそんなことないっす」
- ザッハトルテ(という、この世界の第一人者的なバンドがある)の人かと思いました。
「一緒にやったことはありますよ。都丸さん(ザッハトルテのアコーディオニスト)とも」
- ライブやってないんですか?
「やってます。松本英二郎、言います。ネットで検索してください」
- アコーディオンの一音一音に物語が溢れてて、めっちゃ素敵でした。今度、ぜひ、ライブ行きますー。
そんな言葉を、ちょっとだけ交わしたのでした。
で、家に帰って、検索してみると…、
検索を進めていくとね、沖縄関係でのライブがめっちゃ多いのですよ。
沖縄でライブやったり、大阪でも沖縄居酒屋でライブやったり、そんなんがめっちゃ多いのです。
しかも、沖縄民謡の琉球太鼓奏者でもあるという。。。
今号に登場してもらっている『ざ☆ちょんだらーず』とは、こうして出会ったのです。
つひまぶをつくっていておもしろいのは、そんなときです。素敵な出会いはたくさんあるのですが、この出会いは、ちょっと震えました。
こんなことがあっていいのか!!
それ以降、何度もなんども彼のライブに足を運んでいます。

ほか、大阪駅前第3ビル地下には、沖縄民謡の伝説でもある登川誠仁の直系である伊礼 哲先生がいらっしゃいます。
沖縄そばを食べられる店は、北区内だけでも30件以上あります。沖縄料理店も数多い。
サーターアンダギーは沖縄よりも美味しいものが本庄で売られています。
琉球民謡、パスポートを携えて中崎町へやってきたテッドさん…。
沖縄で埋め尽くされた「つひまぶ」は、絶賛配布中です☆

稗史としての北区史が、ここにはあります。

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