2015年8月17日月曜日

都心であっても、お子らがいれば地蔵尊は残る。「錦地蔵」の地蔵盆

ども、編集長のルイスです。

つひまぶをつくっていてつくづく思うけれども、キタは、日本でも有数の大都会でありながらも、むかしからのダウンタウンが現存していて、新旧のまちなみがコントラストを鮮やかにして共存してます。

それでも、都心ゆえか、古くからのお店がしもた屋になりチェーン店が幅を利かせ、高層マンションがバンバン建って、土地とは縁もゆかりもない人が増え、その土地にむかしからあった風習や文化も、だんだんと痩せ細っていきます。
もちろん、逆に新しい文化や風俗が育ったり、途切れた風習を復活させたりと、逆の動きもあり、そこが都心のおもしろいところでもありますな。

なんにせよ、都心では、いろんなもんが、日々、アップデートされています。

で、大阪のダウンタウン・天神橋から天満にかけては、戦前は、各町ごとに祀るお地蔵さんがいて、地蔵盆があっちこっちで催されていて、お子たちがお菓子をもらうために、あっちこっちのお地蔵さんを訪ね歩いたそうです。

僕に一番馴染みがあるのは、JR天満駅の南側、ラブホの裏側の辻に祀られている錦地蔵です。このあたり、今でこそ天神橋4丁目だけれども、むかしは錦町と言いました。その名残りの、錦地蔵。



ちなみに、この錦地蔵のすぐ横には、「西喜橋」と書かれた跡碑がありまして、「錦=西喜」となっていた時代があることが想像できます。想像できますが、これ、誰に聞いてもわからずで、こいつを解明するのは目下の僕のテーマにもなっています。



かつて「天満座」というストリップ小屋というか芝居小屋が賑わっていた時代(今、キングマンションになってます。平成10年くらいまでの話ですな)、そこのオーナーだった吉田さんが持っていた山から出てきたお地蔵さんを祀ったのが、はじまりやそうです。
その後、お地蔵さんが盗難にあってつくり直したり、いろいろあってですな、現在の、キングマンションの南隣、ラブホの裏に祠を設けて、安置されてます。

ラブホと祠が共存している場所というと、ミナミの生魂さんや綱敷天神さんを思い浮かべるわけですが、聖と俗って表裏一体だし、ここらへん、アジア的なおおらかさというかラテン的などうしようのなさというか、嘘のなさが清々しくて、僕は好きです。

ここの錦地蔵も、酔っぱらった人たちが、夜、パンパンと手を叩いて拝んで帰る姿をよく見かけます。

いつもキレイに手入れされているのだけれども、これは、地元の町会で保存会を結成して、常日ごろから手入れされている賜物ですね。感謝☆




お賽銭も、ちゃんと洗って銀行に預けて、保存のための費用に充てられています。




錦地蔵では、地蔵盆の折り、野崎からお坊さんを呼んで、ちゃんとお経をあげてもらいます。
あと、地蔵盆といえば数珠まわしだけれども、一般的には2~3mの数珠を、子どもらが輪になってまわすのが多いですね。ところが、錦地蔵で使われる数珠は、30mくらいはあるんじゃないかというシロモノで、それはそれは立派な数珠です。こんな立派なの、見たことない!というシロモノ。

賑やかに地蔵盆が開催されてます。保存会の方たちが、お世話してるのですね。




お地蔵さんの保存に協力している人たちの名前が、染められています。




こうやって、提灯が出るのが、地蔵盆ならではの風景。お子らの名前を書いた提灯が一般的ですが、ここはどうなんでしょうか?




巨大な数珠を、お子らが輪になってまわします。こんな立派な数珠は、見たことありません!




お子ら全員で数珠を持って、近所を一周します。






お子らのお楽しみは、お菓子☆ たくさんもらえてよかったね!




さて、お地蔵さんというと、地蔵菩薩。
彼はれっきとした仏教の仏さんなのですが、地蔵尊は、どちらかというと、道祖神の色合いが濃いです。
道祖神は、日本に古くからある民間信仰、要するに、単純に路傍の神さんですな。村の守り神であり、子孫繁栄の神さんであり、交通安全の神さんです。

で、地蔵盆の主役が子どもなのは、お地蔵さんが、間引きした子どもの霊を慰めるために生まれたのだという説がありまして、そういう物語が、いつのまにか地蔵信仰に流入して、現在のようなかたちになったと言います。


その地蔵盆も、今では、いたるところで、というわけではなく、だんだんと減っていっているようです。
少子化と都市開発でどんどんいろんなものが消えていくということは、いろんな心も消えていくということで、結果、まちからお子らが消え、お地蔵さんも消えていく、ということでしょうか。

アイルランドから森が消えて妖精がいなくなったように、平安の京の都から闇が消えて妖怪が死に絶えたように、お子らがいなくなれば、お地蔵さんも消えるかもしれません。

でも、錦地蔵のように、そうではないお地蔵さんもいらっしゃいます。琉球のキジムナーのようにね。
こういうのは、ぜひ、残していってほしいもんです。

写真はすべて、昨年とそれ以前のもの。
錦地蔵の今年の地蔵盆は、8月23日(日)の夜19:00に開催です。