2015年2月23日月曜日

特盛りすごく大きいですよ。

つひまぶ三号で「喫茶Y」のことを書きましたが、北区内にはまだまだ隠れた「きっついお店」があります。一見普通に見えて、実はとんでもない、うっかり踏むと大変な飲食店。栄養過多のならず者、食事量のアナーキストともいえる、まさに無法の世界が口を開け、あなたを待っているのです。
大阪駅前第三ビルの地下にあるケラー・ヤマトというお店の「オムドム」も、そういった危険物件の一つです。
当時、大阪駅前第二ビルで仕事をしていた僕は、昼ご飯を食べようと、普段あまり行かない第三ビルの地下へ足を踏み入れました。
夜にはビアホールになると思われるそのお店の前には、オムライスの上にカツが乗った美味しそうなサンプルが展示してありました。
オムライスは大好物です。とんかつもまた、それ以上に大好物です。かつオムドムという名前の付けられたそのサンプルは、しかし少し儚げに見えました。そう、その時僕は、思いっきりおなかが減っていたのです。もうちょっとボリュームがあればいいのになあ。でもまあいいか、とお店に入りました。

「かつオムドム。あ、大とか特盛りもあるんや、ほな、特盛りで」
「あのー、特盛りすごく大きいですよ」
「そ、そうなん?ほな、大で」

ノーマルが700円、大が50円増し、特盛りは100円増し。まあ、その程度の値段差やし、たいしたことはないんやろうなあ、やっぱり特盛りしといた方が良かったんかなあ、なんて考えてると、運ばれてきましたかつオムドム大。

え?

ちょっと待ってくださいよ・・・。オムライスって普通、丸いお皿の上にラグビーボール型で乗って来るじゃないですか。これ、その、いきなり、丸いんですけど・・・。

丸いお皿をほとんど余白無く埋め尽くした、まるで「なにわの海の時空館」のようなオムライス。そして、屋根の上に光るタマネギ、じゃなくて、とんかつ。

一目見た途端に、プロジェクトXでした。中島みゆきの歌声に、遠藤みちろうのナレーションがオーバーラップします。
工事は、大幅に遅れていた。目の前のライスが、減らない。おじまは、あせっていた。このままでは、昼休みの終わりに間に合わない。しかし、若いウエイトレスに自信たっぷりに「大」と言った手前、残すわけにはいかない・・・。

己の持つマックスの食力を動員して、何とか昼休み中に食べ終えましたが、午後の仕事は終わらない満腹感との戦いでした。

実はお店の人に聞いたのですが、大は2.8倍、特盛りは4倍なんだそうです。その設定、何か間違ってます。あまりにもピーキーです。また、特盛りを食べてる人を見る機会もあったのですが、それは丸いお皿の端から垂直の絶壁で立ち上がり、伊吹山を険しくしたような形をしていました。あれを頼まなくて良かった。「特盛りすごく大きいですよ」と言ってくれた店員さん、ありがとうございました。


それからさらにしばらくして、満腹の記憶も薄れた頃に再度訪ねてみると、大は100円増し、特盛りは200円増しに値上がりしてました。そして、大は2倍、特盛りは3倍というサイズに改められたようです。うんうん、そうです、それでいいんです。いや、まだかなり危険ですけど。