2014年7月7日月曜日

北区の神社仏閣巡礼&御朱印集めツアーだGO!GO!GO!

歴女やら仏ガールという言葉がある通り、お寺さんや神社に行くと、近ごろは、若い女性を見かけることが増えた。
若い女性だけではなく、現役を退いたシルバー世代の方たちも、たくさんお詣りしている姿を見かける。
和辻哲郎の名著「古寺巡礼」や土門拳の写真集「古寺巡礼」を見ると、それぞれが出版された大正年間や1950年代は、今では名の通っているお寺さんも閑散としていたところが多かったことがわかる。
白州正子が「私の古寺巡礼」や「かくれ里」を出して最初のブームの火をつけたのは、80年代のことだ。
僕が神社仏閣巡りをはじめた15年ほどまえも、観光名所化しているところは別として、どこのお寺さんへ詣っても朝から人が押し寄せるということはなかった。どこも閑散として、いい具合に詫びていたものだ。
今では、シニア向けの雑誌では神社仏閣や仏像がいくつも特集され、西国巡礼のバスツアーは旅行代理店のドル箱となり、JR西日本の西国巡礼キャンペーンは大盛況のうちに幕を閉じた。

巡礼の歴史は長いが、もしかしたら、今ほど人々が巡礼の列に連なる時代は、かつてないかもしれない。
もちろん、宗教的な儀式に殉じる人は、今もいる。
そうではなくても、一歩一歩土を踏みしめて歩くことで、自身の内面と向き合い、気づきを得る人もいる。
先行き不透明なこの時代にあって、魂の救済や、神秘的なものへの憧れゆえに、詣る人はいる。
神社仏閣建築が好きで詣でる人がいれば、お目当ての仏像を求めて詣る人がいる。
清浄な空間を求めて、癒しを求めて参拝する人も、たくさんいる。

観光気分で巡る人も、たくさんいる。
でもこれは、今にはじまったことではない。お伊勢参りや熊野詣でだって、江戸時代にはすでに観光化されていた。世界で最初の観光ガイドブックはお伊勢参りのそれだが、人々が観光を楽しむようになり、そのようなニーズがあったのだから。
四国のお遍路八十八ヶ所巡りや西国巡礼三十三ヶ所巡りだけでなく、アニメの聖地巡り、映画のロケ地巡り、パワースポット巡り、今や巡礼はかつてないほどの活況を呈していると言える。
讃岐うどん巡礼のように、まちおこしの一環で巡礼を創出している地域や業界も、枚挙に暇がない。

巡礼、神社仏閣と来れば、次に続くのは御朱印だ。
巡礼のようにポイントポイントの場所を通過するのなら、その証しがほしくなるのは人情というものである。しかもそれが神社仏閣であれば、参拝した印としての御朱印がある。


その証拠に、お寺さんや神社に詣でると、近ごろでは、御朱印帳を持って御朱印を求める列を結構な割合で見かける。こんなことは、つい数年前までは見られなかった。

ご存知のように、お寺さんや神社に詣でた際、求めれば、御朱印をいただける。志納となっている場合が多いけれども、相場は300円である。
神社なら、参拝した日付と神社名を墨書した御朱印がいただける。
お寺さんなら、日付、朱印の三宝印、本尊あるいはお目当ての仏像を墨書した御朱印をいただく。もっとも、お寺さんの場合は、書写したお経を納めた証しとしての御朱印だが、今では、参拝しただけでいただけるようになっている。

しかもこれらは、実際に人の手で墨書されるので、とても味わい深い。おなじ場所であっても御朱印を墨書する人によって見栄えが変わってくるので、字の上手い下手で一喜一憂することもある。そう、御朱印の魅力の大きなひとつは、それが一点モノである、ということだ。
さらに、特定の期間に詣ったときだけいただける、いわゆる限定モノのようなレアものまである。生国魂神社では、1月に参拝すると、その年の干支の御朱印が押されたものをいただくことができる。ただし、1月限定。そのような限定版の御朱印が、ときどきある。
これがまた、マニア心をくすぐる(笑)
ハマると、底なし沼のようになる。


さて、北区にも、お寺さんや神社はたくさんある。
有名どころだと、大阪天満宮、露天神社(お初天神)、綱敷天神などの神社。お寺さんだと太融寺が有名だ。大塩平八郎の墓所がある成正寺も、ご存知の方がいらっしゃるかもしれない。そもそも、ずらっとお寺さんが東西に並ぶ、寺町がある。

それらのお寺さんを順番に巡るのもいいが、参拝を行なっていないお寺さんもたくさんあるので、巡礼コースを巡る手もある。北区だけということではないけれども、北区内のお寺さんや神社が含まれている巡礼も、いくつかある。

北区内の神社仏閣が関係するところだと、「大阪新四十八願所阿弥陀巡礼」がある。
大阪府下の48の浄土宗寺院にお詣りし、阿弥陀仏の四十八願にちなんだ巡礼で、江戸時代中期に成立したものが、平成23年の法然上人800年遠忌を機に再興した。
第2番 源光寺(大阪市北区豊崎2-3-23)
第3番 蟠龍寺(大阪市北区野崎町4-1)
第4番 冷雲院(大阪市北区野崎町4-4)
第5番 智源寺(大阪市北区天神橋3-3-10)
第8番 善導寺(大阪市北区与力町2-5)
第10番 專念寺(大阪市北区同心1-1-5)
など、大阪府下48ヶ所中6つの寺院がリストに名を連ねている。

江戸時代中期に創設された弘法大師信仰に端を発する「摂津国八十八ヶ所霊場巡り」は、有名寺院がたくさん名を連ねたことから、大変な活況を呈したそうだ。
ここにも、北区内の寺院が名を連ねている。
第6番 太融寺(大阪市北区太融寺町3-7) 千手千眼観世音菩薩
第9番 国分寺(大阪市北区国分寺1-6-18) 薬師如来
第10番 寶珠院(大阪市北区与力町1-2) 大日如来
など、北摂一円88ヶ所中3つの寺院が含まれている。

わりに有名なのが、「なにわ七幸めぐり」
お寺さんと神社が宗派を超えて巡礼を創設している、一種の聖地巡礼だ。7ヶ所なので、北区に関係なくすべてを列記する。
大阪天満宮(大阪市北区天神橋2-1-8) 学業成就
大念佛寺(大阪市平野区平野上町1-7-26) 諸芸上達
住吉大社(大阪市住吉区2-9-89) 厄除祈願
今宮戎神社(大阪市浪速区恵比寿西1-6-10) 商売繁盛
太融寺(大阪市北区太融寺町3-7) 無病息災
四條畷神社(大阪府四條畷市南野2-18-1) 心願成就
四天王寺(大阪市天王寺区四天王寺1-11-18) 家内安全

上記神社仏閣の地図はこちらを。




巡礼コースは順番にまわる必要はなく、どこからでもはじめられる。
すべてを巡った(結縁)ときの達成感はひとしおだろうが、焦らず、何年もかけてゆっくり巡り続けるのも楽しいものである。
そのたびごとに、ひとつずつ御朱印を集める楽しみは、コレクター心をくすぐる。

以下は、上記のお寺さんや神社で僕がいただいた御朱印。
僕もまた、計画を持たず、思い立ったときに天候がよければ訪れるような塩梅なので、すべてを巡っているわけでも、すべての御朱印を収集しているわけではなく、ゆるりゆるりと数を重ねている。


堀川戎神社。宝船の朱印がたまらない。

露天神社。ちゃんと「お初天神」の名前も併記してくれるのが嬉しい。

太融寺。「大悲殿」と墨書されている。大悲殿とは、観音菩薩を祀っている建物のことで、太融寺を代表する堂宇である。風格のある墨書がかっこいい。

綱敷天神。梅と菊の御朱印が押されている。

大阪天満宮。端正な墨書で、見ていて飽きない。惚れ惚れする。

鶴満寺の御朱印。こちらのご本尊は、子安観音。子安観音は安産の観音さんだが、同時に、隠れキリシタンが礼拝した聖母像となる場合がある。鶴満寺にそのような謂れがあったのかどうか、この御朱印をきっかけに俄然興味が出てきて、近いうちに調べてみようと思っている。

国分寺。現在は焼失したとはいえ、ここのご本尊は高野山から移した「赤不動」だが、この墨書は「赤不動」とは書かれておらず、「宝不動」としか読めそうにない。「宝不動」とはなんだろうか?謎だ。

源光寺の「天筆阿弥陀如来」が墨書されている。なにかを感得した霊像を「天筆」と記すことがあるが、実際に見たのはこれが初めて。こちらの阿弥陀さんはそのような仏像である。秘仏で、彼岸の中日のみ開帳される。

大塩平八郎の墓所である成正寺の御朱印。仏像名ではなく、経名の「南無妙法蓮華経」が墨書されている。デザイン性の高い墨書で、こういうのに出会うと、ちょっと嬉しくなる。

智源寺の御朱印。持っていった御朱印帳に押してもらうのではなく、あらかじめ用意されている御朱印の紙をいただく。あとで御朱印帳に貼ってもいいし、そのままで持っていてもいい。「宿命智通」とは浄土教の根本教典である「無量寿経」に出てくる言葉で、人々が宿命を得ず、かぎりない過去のことまで知り尽くすことができないのなら、私は悟りなど開かぬ!というほどの意味。願分のひとつである。

おまけ。これは御朱印とは違うけれども、元旦の日に堀川戎神社に詣ると先着順でいただける「宝船」。枕の下に敷いて、正月2日の夜に縁起のいい初夢を見るための縁起物の絵で、絵面も毎年変わる。

もうひとつ、おまけ。東大寺の二月堂から少し下ったところにある鐘楼で、なぜか御朱印を押していただける。通常、真ん中には、その堂宇に祀られている仏さんが墨書されるが、ここは鐘楼なので、仏さんはいない。大きな鐘があるからか、墨書されるのは「大梵鐘」。味のある字も含めて、大好きな御朱印。